競馬・競艇・オートレースが無観客で開催の中、なぜ競輪だけ中止なのか?|競輪ラボ

最新更新日:2024年04月27日に更新しました!

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競馬・競艇・オートレースが無観客で開催の中、なぜ競輪だけ中止なのか?

新型コロナウイルスの影響で様々な業界が打撃を受け、さらに非常事態宣言も相まって、公営競技である競馬・競艇・競輪・オートレースも関係なく打撃を受けている。

競輪は当初、他と同じく「無観客」でのレース開催を行っていた。
しかし、非常事態宣言が発表されてから競輪業界の流れは大きく転換した。

驚愕だったのは競輪だけレース中止が相次いだこと。


各競輪場のF2・F1の開催中止から始まり、グレードレースも例外なく中止となった。
西武園記念競輪のゴールド・ウイング賞、平塚記念競輪の湘南ダービー。
そして静岡競輪開催のG1日本選手権競輪の中止。

…これはいくら何でも無いだろう。


現在も競馬・競艇・オートレースは無観客で「開催を続行」しているし、オートレースに関しては売り上げ増加までしているのだ。

レースがあっての賞金であり、飯のタネ。選手は出場できなければ給料がないということだ。 上位ランクの一流選手であれば高額な給料をもらっているから少しぐらい減ったところでダメージは無いかもしれない。 デビューしたてだったり、落ちてきた選手だったりすると1カ月間も出走がないとかなり生活は厳しいはず。

競輪だけ開催中止となっている状況に不満を漏らしている競輪選手がいることは容易に想像できるし、聞いた話では実際にいる。

では、なぜ競輪だけ"過度な中止措置"が取られているのか?


改めて考えてみると1つの答えが見つかった。
2020年のオリンピック種目「ケイリン」だ。

私も忘れかけていたが、2020年東京オリンピックでケイリンとして正式に採用され開催を控えているということ。 他の公営競技と大きく違う点としてはこの部分だが、果たしてそれだけで開催中止となるものだろうか?

と疑いたいのはやまやまだが、日本の組織体質的にあり得る。
国家事業であり、イベントであるオリンピックに影響を出したくない。1人でも競輪選手からコロナが出てしまったら‥

他の公営ギャンブル競馬と競艇に売り上げは大きく差をつけられているし、最悪、競輪の売り上げはなくなっても問題なしと見られている可能性は高い。 利益がなくなっても自治体や福祉関連に回る資金がなくなるだけだ。それも世間的にはだいぶ困るのだが。

とは言え競輪は戦後の地域復興を目的として開催された経緯があり、東北大震災や熊本地震など災害復興の名目で開催したレースが過去はいくつもある。

だが今回は災害と病で、別と考えると合点がいく。
まだ収束と先の見えないコロナウイルス騒動をオリンピックに持ち越したくない。

今回の競輪レース中止騒動は"国の思惑"が多分に影響されてるのではないか?。


もう一つ、競輪が他の公営競技と違う点だが、競輪は開催実行に関わる組織が多いということだ。
競輪を統括する「JKA」、決定権を持つのは主催する「各競輪場の自治体」となる。そして「日本競輪選手会」「全国競輪施行者協議会」が補佐をする体制だ。

静岡競輪のG1日本選手権競輪を例にとると、選手会側は開催に意欲的であった。
選手会側のコメントも「こんな時だからこそ静岡G1は開催をすることに意味がある」と語っていたしね。

しかもその時は、武雄競輪では記念競輪G3の大楠賞争奪戦が開催されていた。
ゴールド・ウイング賞と平塚ダービーと記念競輪がすでに2会場が中止となり、武雄記念競輪以降のグレードレースは期間が開いてしまう。

また外出自粛を推奨している期間がゴールデンウィークと被っていることもあり、開催すれば注目を浴びたことは間違いない。 すでに開催中止の競輪場が相次ぐ中のG1日本選手権競輪の開催は、多くの競輪ファンが待ち望んでいた。


無観客で開催すればいいのに?


客観的に見ても、誰もが思っていたことだろう。
またG1日本選手権競輪のスケジュールは5月6日からで、非常事態宣言は5月6日までということもあり開催する気は満々だったはずだ。

でなければ4月17日のF2CTC杯・しずまえ満喫杯はとっくに中止となっていた。 だが、4月24日に静岡市長の定例会見で日本選手権競輪が中止になると発表されている。

この開催中止の経緯には不審点があり、市の独断に近い決定と言える。 発表に伴い静岡市長・副市長を含め競輪場の所長と数名が検討会の為に数度呼ばれていたようだが、その場には選手会や施行者協議会の人間を呼んでいないということ。

選手会と施行者協議会は開催に意欲的な立場だった。
つまり2団体を呼ばずに競輪場の所長を呼び内々に開催中止をすることを決めていたということになる。

確かに最終判断は自治体の判断になるが、これは意欲的だった「選手会や他施工関連業者の意見を取り入れていない」としか見れない。


今回の中止劇は静岡市が関係団体を封殺したと言ってもいい決定だ。

市の独断に近い決定は競輪の組織内の意見交換が不十分であること、また政府側から圧力もかかっていると容易に推察できる。 政府側=国の意向ということだが前述したオリンピックの兼ね合いが大きく関わることになる。

東京オリンピックを何としてでも開催したい!オリンピック種目である競輪(ケイリン)からコロナ感染者が出たら競輪業界に責任が飛び火する。 ギャンブルの財源は競馬と競艇、パチンコで確保できているので競輪には泣いてもらおう。

国の思惑が透けて見えてしまった、今回の競輪中止騒動なのであった。
早くいつも通りの競輪予想を楽しみたいものですね。

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